そろばんの歴史

そろばん(算盤)は、古代の計算板や「砂そろばん」のような道具から発展し、東アジアで独自の形式が育ちました。 日本では16世紀末ごろに伝来したとされ、江戸期には『塵劫記』などを通じて普及し、近代には教育・検定制度の整備が進みました。

木製そろばんのクローズアップ(イメージ)
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ポイント解説

「中国算盤(2:5)」と「日本式そろばん(1:4)」、標準化や書籍・文化財登録など、流れが分かる要点をまとめました。

ポイント

算盤とそろばんの珠の配置

中国の算盤(suanpan)は一般に上2・下5(2:5)で、用途によって多様。日本式そろばん(soroban)は上1・下4(1:4)が一般的。

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ポイント

日本式1:4の標準化

文部省が1938年に五珠1個・一珠4個を標準とする決定をしたとされる。

参考

ポイント

『塵劫記』の意義

1627年刊行の『塵劫記』は江戸期に広く長く普及した算術書で、そろばん学習の普及に寄与。

参考

ポイント

ユネスコ無形文化遺産(中国珠算)

Chinese Zhusuan(算盤を用いた計算の知識・実践)は2013年にユネスコ無形文化遺産(代表一覧表)に登録。

参考

ポイント

“abacus”の語源メモ

abacusはギリシャ語/セム語系の語源とされ、砂や塵を払う(dust)に関係する語から来た可能性がある。

参考

年表

年代順に見る(検索・絞り込み)

世界

紀元前3000〜2000年頃 / メソポタミア

砂の上に線を引き小石で計算する「砂そろばん」が用いられた。

形・特徴:砂そろばん(砂上で小石を動かす)

備考:起源は諸説。

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世界

紀元前300年頃 / 古代ギリシャ

サラミス島で発見された「サラミスの板(Salamis Tablet)」は、現存する最古級の計算板とされる。

形・特徴:計算板(線・記号の刻まれた大理石板に小石等を置く)

備考:発見は1846年。年代推定は約300BC。

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世界

1〜400年 / 古代ローマ

ローマでは溝や刻みのある計算具(携帯型の手持ち算盤など)が用いられた。

形・特徴:溝そろばん/携帯型 hand-abacus

備考:年代は幅あり。

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世界

紀元前2世紀頃 / 中国(漢)

中国の算盤(suanpan)に関する最古級の文献記録がこの頃にあるとされる。

形・特徴:算盤の文献記録(後の上2・下5などへ発展)

備考:2nd century BCの記述。

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世界

160〜220年 / 中国(東漢)

徐岳『数術記遺』で珠算(算盤)に触れたとされる。

形・特徴:珠算(算盤)に関する記述

備考:最古の用語出現として紹介される。

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世界

960〜1279年 / 中国(宋)

宋代の絵画に算盤が描かれた可能性があり、1:4型(上1・下4)の系統も言及される。

形・特徴:算盤(描写例/1:4型の言及)

備考:絵画の同定は議論あり。

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世界

1368〜1644年 / 中国(明)

明代に1:5型が現れ、のちに2:5型などが普及したとされる。

形・特徴:算盤(1:5→2:5など)

備考:地域・用途で多様。

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日本

1550〜1600年 / 日本(室町後半)

中国との貿易の拡大とともに、港町(長崎・堺など)へ算盤が持ち込まれたとされる。

形・特徴:伝来期(中国式の算盤)

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日本

1592年 / 日本

前田利家が陣中で算盤を用いたと伝わる。

形・特徴:伝来期の算盤使用例

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日本

1612年 / 日本

そろばん(算盤)が作られ始めた場所は、滋賀県の大津(大津そろばん)とされます。

形・特徴:国内生産の拡大

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日本

1622年 / 日本

毛利重能が『割算書』を刊行。現存する日本最古級の算盤書とされる。

形・特徴:算盤書(割算書)

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日本

1627年 / 日本

吉田光由『塵劫記』刊行。算盤の知識普及に大きく貢献したとされる。

形・特徴:算盤マニュアル/和算の普及

備考:国立教育政策研究所の解説。

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日本

1873年 / 日本

小学校の算術に珠算が採用された。

形・特徴:教育への導入

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日本

1902年 / 日本

貯金局で算盤競技会が開かれた。

形・特徴:競技会の開催

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日本

1907年 / 日本

文部省が『小学算術書 珠算 教師用』を発行。

形・特徴:教材整備

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日本

1927年 / 日本

検定試験が始まる。

形・特徴:検定制度

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日本

1935年 / 日本

尋常小学校で算術に珠算が必修となった。

形・特徴:学校教育で必修化

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日本

1936年 / 日本

全国珠算競技大会が初めて開かれた。

形・特徴:全国大会

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日本

1938年 / 日本

文部省が五珠1個・一珠4個のそろばんを標準とすることを決定。

形・特徴:日本式(1:4)標準化

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日本

1946年 / 日本

そろばんとアメリカの電動計算機の計算試合が行われ、そろばんが勝利した。

形・特徴:計算機との対決

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日本

1953年 / 日本

全国珠算教育連盟が設立された。

形・特徴:団体設立

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日本

1961年 / 日本

アジア珠算会議が開かれ、世界各国へ珠算が普及され始める。

形・特徴:国際化

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日本

1965年 / 日本

目が不自由な人のための検定試験が初めて実施される。

形・特徴:アクセシビリティ

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日本

1968年 / 日本

8月8日が「そろばんの日」と決められた。

形・特徴:記念日の制定

備考:語呂合わせ(パチパチ)。

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日本

1976年 / 日本(播州)

播州そろばんが通産大臣から伝統的工芸品の指定を受けた。

形・特徴:産地ブランド/伝統的工芸品

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日本

2008年 / 日本

「そろばんが宇宙へ行く」として紹介される(宇宙ソロバンの搭載など)。

形・特徴:宇宙ソロバン

備考:詳細は別途一次資料で要確認。

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世界

2013年 / UNESCO(中国)

「Chinese Zhusuan(珠算)」がユネスコ無形文化遺産(代表一覧表)に登録。

形・特徴:珠算(算盤を用いた計算の知識・実践)

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日本

2013年 / 日本

全国珠算教育連盟が公益社団法人の認定を受ける/日本そろばん資料館が開設される。

形・特徴:団体の公益認定/資料館

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日本

2014年 / 日本

由緒書きのある日本最古のそろばんが発見されたと紹介される。

形・特徴:最古そろばん(由緒書き)

備考:詳細記事で補強推奨。

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日本

2015年 / 日本

「吉田光由記念碑」が二尊院に建立された。

形・特徴:顕彰碑

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区分地域/国年代出来事形・特徴備考参考
世界メソポタミア紀元前3000〜2000年頃砂の上に線を引き小石で計算する「砂そろばん」が用いられた。砂そろばん(砂上で小石を動かす)起源は諸説。参考リンク
世界古代ギリシャ紀元前300年頃サラミス島で発見された「サラミスの板(Salamis Tablet)」は、現存する最古級の計算板とされる。計算板(線・記号の刻まれた大理石板に小石等を置く)発見は1846年。年代推定は約300BC。参考リンク
世界古代ローマ1〜400年ローマでは溝や刻みのある計算具(携帯型の手持ち算盤など)が用いられた。溝そろばん/携帯型 hand-abacus年代は幅あり。参考リンク
世界中国(漢)紀元前2世紀頃中国の算盤(suanpan)に関する最古級の文献記録がこの頃にあるとされる。算盤の文献記録(後の上2・下5などへ発展)2nd century BCの記述。参考リンク
世界中国(東漢)160〜220年徐岳『数術記遺』で珠算(算盤)に触れたとされる。珠算(算盤)に関する記述最古の用語出現として紹介される。参考リンク
世界中国(宋)960〜1279年宋代の絵画に算盤が描かれた可能性があり、1:4型(上1・下4)の系統も言及される。算盤(描写例/1:4型の言及)絵画の同定は議論あり。参考リンク
世界中国(明)1368〜1644年明代に1:5型が現れ、のちに2:5型などが普及したとされる。算盤(1:5→2:5など)地域・用途で多様。参考リンク
日本日本(室町後半)1550〜1600年中国との貿易の拡大とともに、港町(長崎・堺など)へ算盤が持ち込まれたとされる。伝来期(中国式の算盤)参考リンク
日本日本1592年前田利家が陣中で算盤を用いたと伝わる。伝来期の算盤使用例参考リンク
日本日本1612年そろばん(算盤)が作られ始めた場所は、滋賀県の大津(大津そろばん)とされます。国内生産の拡大参考リンク
日本日本1622年毛利重能が『割算書』を刊行。現存する日本最古級の算盤書とされる。算盤書(割算書)参考リンク
日本日本1627年吉田光由『塵劫記』刊行。算盤の知識普及に大きく貢献したとされる。算盤マニュアル/和算の普及国立教育政策研究所の解説。参考リンク
日本日本1873年小学校の算術に珠算が採用された。教育への導入参考リンク
日本日本1902年貯金局で算盤競技会が開かれた。競技会の開催参考リンク
日本日本1907年文部省が『小学算術書 珠算 教師用』を発行。教材整備参考リンク
日本日本1927年検定試験が始まる。検定制度参考リンク
日本日本1935年尋常小学校で算術に珠算が必修となった。学校教育で必修化参考リンク
日本日本1936年全国珠算競技大会が初めて開かれた。全国大会参考リンク
日本日本1938年文部省が五珠1個・一珠4個のそろばんを標準とすることを決定。日本式(1:4)標準化参考リンク
日本日本1946年そろばんとアメリカの電動計算機の計算試合が行われ、そろばんが勝利した。計算機との対決参考リンク
日本日本1953年全国珠算教育連盟が設立された。団体設立参考リンク
日本日本1961年アジア珠算会議が開かれ、世界各国へ珠算が普及され始める。国際化参考リンク
日本日本1965年目が不自由な人のための検定試験が初めて実施される。アクセシビリティ参考リンク
日本日本1968年8月8日が「そろばんの日」と決められた。記念日の制定語呂合わせ(パチパチ)。参考リンク
日本日本(播州)1976年播州そろばんが通産大臣から伝統的工芸品の指定を受けた。産地ブランド/伝統的工芸品参考リンク
日本日本2008年「そろばんが宇宙へ行く」として紹介される(宇宙ソロバンの搭載など)。宇宙ソロバン詳細は別途一次資料で要確認。参考リンク
世界UNESCO(中国)2013年「Chinese Zhusuan(珠算)」がユネスコ無形文化遺産(代表一覧表)に登録。珠算(算盤を用いた計算の知識・実践)参考リンク
日本日本2013年全国珠算教育連盟が公益社団法人の認定を受ける/日本そろばん資料館が開設される。団体の公益認定/資料館参考リンク
日本日本2014年由緒書きのある日本最古のそろばんが発見されたと紹介される。最古そろばん(由緒書き)詳細記事で補強推奨。参考リンク
日本日本2015年「吉田光由記念碑」が二尊院に建立された。顕彰碑参考リンク

※ 年代や伝来の経路などは「諸説」や推定を含む項目があります。学術的な詳細確認が必要な場合は、一次資料や公的機関の解説をご参照ください。

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